保育士の労働環境が悪いのは意識が低いのと名称独占資格を解消しないからだと思う理由

 

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日本死ね』が流行語になって、保育士の給料や劣悪な労働環境について考え直させるようになっているけど、現場ではなかなか上手くいっていない。

 

この間書いた記事で軽く触れたけど、今回は内情を書いてどうしたらいいかについて考えていきたいと思う。

 

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多くの人は保育士の給料を上げれば保育士の定着率が上がり、待機児童問題が解消されると思いこんでいるようだけど、そんなことないと元保育士の僕は思う。

 

何故なら保育士を辞める殆どが給料ではなくて、劣悪な労働環境にあるからだ。

 

お金を払えば全ては解決すると思う事自体浅はかだ。

 

毎日夜遅くまで保育所に残って残業をした上で家に帰っても持ち帰りの仕事がある。

 

そんな仕事すぐ辞めてしまいたいし、給料が多かったとしても労働環境が悪かったら意味がない。

 

そしてその労働環境問題に関しては国がどうにかすべきというよりかは保育の現場で働いている職員の労働者としての意識が低いからだ。

 

今回はそう思うわけについて書いていきたいと思います。

 

保育士という大変な仕事を楽にしようという意識が低い

「大変な仕事」の画像検索結果 

 

時間になっても仕事が終わらないのは労働者が頑張っていないからではなくて、そもそも仕事の振り分けや、業務内容の削減を積極的に行っていない管理職側のマネジメント不足と言ってもいい。

 

  • 毎月ある行事
  • 壁紙作成
  • 子どもがいる時にデスクワークが出来ない
  • 子どもをみる時間が勤務時間になっている現状
  • お手紙や連絡帳を毎日書く習慣

これらは大体の保育所長時間労働になる原因でもあるのだけど、これらって本当に必要なのだろうか??

 

現在働いている職員の人数や子ども数をみてこの状態で回していこうとGOサインを出していいのか本当に考えているのだろうか??

 

そして業務を時間内に追われないように業務を削るという意識は無いのだろうか??

 

僕のいる介護施設でも、状況に合わせて施設でできることはやっていく。

 

そもそも職員がいてこそ施設が成り立っているのであって、利用者さんに合わせすぎて職員に無理をさせたところでバカバカしくなって辞めていくのは目に見えている。

 

だいたいの企業が時と場合に合わせて出来る限りの業務改善を施すのに、保育所では業務改善の「ぎょ」の字もない。

 

そもそも今の業務内容が多すぎると思っているのに、何故声を上げたりしないのだろうか??

 

仕事が終わってないけど定時に帰る職員がもっといてもいいと思うけど、それをせずに「子どものため」と言ってすべてを受け入れている保育士は本当に仕事に対する意識が低いようなきがする。

 

プロを名乗るのなら時間内に業務を終わらせるように、周りに働きかけて適切な業務改善を訴えていくはずだ。

 

それを一切放棄した状態で「仕事がキツイ」って言っている。

 

そりゃそうだ。何か国や施設を運営している側が何かをしてくれるだろうと圧倒的な受け身で無い物ねだりをしていたところで現状は何一つ変わらない。

 

看護師だって現状を変えたくて、ストライキをしたりして、周りに訴えかけて今の地位を確立したんだ。

 

黙っているということは、今のままでいいと言っているようなものだ。

 

そんな人がたくさんいる職場が大変なままなのは当然だ。

 

国に訴えかける前に自分がいる場所の労働環境をよくするほうが先だ。

 

もし給料が上がったとしても今のままの労働環境のままだと保育士不足問題の解決には程遠いと思う。

 

何か子どもが相手だからって全部をしなくちゃいけないみたいな思い込みを捨てることから始めよう。

 

別に壁紙なんて毎月新しいものを作らなくたって子どもに対した影響はない。

 

そんなことしている時間があれば、早く帰ってよく寝て次の日の仕事に備えたほうがよっぽど良い。

 

まずは時間内に終われる仕事の配分をしなくちゃ話にならない。

 

保育士だって労働者なんだから、一職員として労働環境をよくするための義務はあると思う。

 

残業をすすんでするやつが、その職場の労働環境を破壊しているのだ。殴ってでも帰らせろ。

 

終わらない仕事があっても精一杯したのならしょうがないのだ。

 

保育士免許を持たないと、保育士になれない懐の狭さ

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保育士は法律によって資格を持ったものしか業務を行うことが出来ないようになっているけど、それが質の低い職場を作っていると言っても過言ではない。

 

そもそも一つの仕事、職場でしか働いていない人が多い職場ほど、その業界の理不尽なわけわからないルールを作って定着させてしまう。サービス残業、持ち帰り当たり前なんてどう考えてもおかしいでしょ。

 

しかし、それが未だに残っているのは先程の項でも書いた声を上げない意識の低い人とそれが当たり前だと思っている人が多いということだ。

 

 

それを 「これはおかしい。ありえない」って言える人は、保育士しかしてこなかった人間じゃなくて他職種を経験した人である。

 

でも保育士は資格が無いと業務ができないと言ったルールがあるから、職場には保育士しかやっていない人が集まってくる。

 

そういう人が集まると「これは当たり前だ」と思うようになる。

 

そしてその空気が蔓延している中で新卒で入った子はその空気に従うしかなくなり、改革者にはなれない。

 

プロの仕事とか言っている人をみるけど、その専門性や意識が逆に仇になって多様性を失ったオワコンな空間と化しているのだ。

 

ちなみに僕のいる介護業界は未経験でも歓迎な仕事なので同じ介護士でありながら、いろんな職種を経験されている人が多い。

 

 

こういう人がいると積極的な業務改善を提案しやすくなり、働きやすい環境を作っていける。

 

介護と保育は一緒にされがちだけど労働環境的には、圧倒的に介護のほうが働きやすい環境になっている。

 

誰でもできる仕事の代表例である介護ではあるけど、誰でも入りやすいということは悪いことじゃなくて、あらゆる方向からの考えを受け入れやすくバランスを保つ働きがある。

 

保育は全然労働市場に開かれていないから、中を変えようとしても既存勢力が反対意見を言って没になってしまう。

 

僕は未経験で介護士になって働いて思ったのは「別に学校に行って勉強しなくても現場でスキルを積んだほうがためになる」だった。

 

結局学校に行ったとしてもその学校に行っている間に現場に入ってスキルを身に着けたほうが戦力になる。

 

そもそもこういう人と関わる仕事において技術や知識よりもその人の人柄だ。

人柄さえ良ければ、なんとでもなる。

 

人柄が悪い人間なんていくらいろんなこと知っていても使い物にならないどころかみんなの足を引っ張ってしまう。

 

介護士も専門性が必要とされる職場だけど、あらゆる方面な人を採用することによってチーム力の向上になってきている。

 

保育も名称独占とか辞めて誰でも働けるようにしたほうが圧倒的に労働環境が良くなると思う。

 

 

 

どの仕事も「誰でもできる仕事」になるべき

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何か「誰でもできる仕事」というワードに怒りを覚える人が多いかもしれないけど、そもそも一部の人じゃないと出来ない仕事自体、このテクノロジーが発達した時代においてムダなんじゃないかと思う。

 

基本的にどの仕事も現場に入り込んで1年修行したらある程度ものになるでしょ??

 

何か誰でも出来ない仕事に対してプライドを持っている人は保育士に多いかもしれないけど、自分にしか出来ない仕事というのは資格を持っているからではなくて、熟練された技術にある。

 

でも、学校からのエスカレーターじゃないと保育士になれない今の保育業界は、プライドだけ残って現状を変える力を持てないほど弱っているのではないじゃないか??

 

それなら誰でもできる仕事になるように必要ないことはとことん削っていけばいい。

 

それで保護者に文句言われるのなら「文句があるのなら他の保育所を探すか、もっとお金を払ってください」って言えばいい。

 

別に手を抜くとかそういうことじゃなくて今あるリソースを最大に活かした結果である。

 

リソースというのは職員の人数と決められた労働時間だ。

職員が少なかったらできることは限られる。当然だ。

 

だけど、そのリソースを無視して時間をかければなんとかなる精神が保育士業界がゴミと言われる所以だ。

 

時間をかければそりゃなんでもできる。

 

でもプロというのは決められた時間で結果を出すものではないのか??

 

介護も誰でもできる仕事になって大分ましになったと思う。

 

いざとなった時は誰でもできる仕事があるから安心みたいなの保育にはないでしょ??

 

人少ないし、待機児童も溢れている中で学校行かないとダメみたいな縛りをし続けるって流石に馬鹿だろ??って思ってしまった。

 

さいごに・・・

 

そもそも少子高齢化労働人口が減っていくなかでロボットに仕事をさせるみたいな流れになってきているのに、保育は保育士免許を持っている人じゃなきゃダメみたいなのをいつまで続けるの??

 

給料を上げるのはもちろん大事かもしれないけど、離職率高い仕事に税金を投入するのってやっぱり国からしてもためらっちゃうよ。

 

まずは中をしっかりするべきだと思うし、今なかにいる人が声を上げて頑張っていくしか方法はないと思っている。